チチェン・イッツァ

新エリアを大調査!

数多くあるマヤ文明の遺跡の中でも、世界で一番訪問者数が多いと言われるチチェン・イッツァ遺跡。

年に2回、春分・秋分の日に『ククルカンの降臨』と呼ばれる現象が見られる『ククルカンのピラミッド』や

マヤ遺跡の中でも最大規模を誇る『球戯場』で知られています。

100年以上にもわたり調査が進められていますが、全容は明らかになっておらず、

今でもINAH(国立人類学歴史研究所)による発掘作業が進められています。


そんな中、2023年9月に『CHICHEN VIEJO』の新規公開がスタート、

そして2024年3月には観光列車TREN MAYAの開業に合わせ、博物館がオープンしました!

今回はまだまだ日本語での情報が少ない、チチェン・イッツァ遺跡の新エリア2つをレポートします。

CHICHEN VIEJOのゲート

チチェンイッツァの博物館

~新エリア① 『CHICHEN VIEJO』~

そもそも、チチェン・イッツァ遺跡が建築様式や年代によって

大きく下記の2エリアに分かれている、って皆さんご存じでしたか?

①10~11世紀前後に栄えたエリア

北部から来たトルテカ族の影響を受けた建築様式が見られ

5~7世紀前後に栄えたエリア。

『天文台』など、マヤ族特有の建築様式が色濃く残


多くのツアーでは『ククルカンのピラミッド』がある

比較的年代の新しいエリアを中心に訪れますが、

今回新たに公開されたのは時代の古いエリアの一部区画です。

未だに発掘作業が続いているため、入場には事前予約必須、

かつ入場可能日や人数の制限があります。

そんな謎に包まれたエリア、いったい何があるのでしょうか…。

~CHICHEN VIEJOの中の様子~

入場登録を済ませ、警備員に連れられて来たのは、駐車場の脇にあるCHICHEN VIEJO専用入口。

引率のINAHガイドと合流し、徒歩で制限エリアの中に入っていきます。

ジャングルの中、整備された小径を進んでいくこと約30分、木々の間に突如三角アーチのゲートが現れました!

いよいよCHICHEN VIEJOの遺跡エリアへ突入です!

フェンスの向こうが制限エリア

小径を進む途中、蝶々の大群が!

遺跡エリアの入口・三角アーチの門

遺跡エリアの中は現在も研究が進められていますが、権力者の居住スペースであったと考えられています。

『ククルカンのピラミッド』のような巨大な建造物はなく、

小規模な建造物が全部で25あり、一周回っても30~40分程のサイズ感です。

居住スペースのヤシ葺き屋根を支えるために作られた石柱が多く並ぶ建物が多いのと、

『サルの家』『カタツムリの家』『カメの台座』など名づけがちょっと安直なのが特徴です(笑)


中でも圧巻なのは塀の中に石柱が並ぶ『月の家』。柱の先には権力者のベッドとして使われた台が鎮座しています。

柱が並ぶエリアは音を反響させる石材でできているので、声を出すとエコーがかかって聞こえる仕掛けもあります。

建物の部分にサルの

モチーフが飾られた『サルの家』

チャックモールのある半ピラミッド

TEMPLO DE SERIE INICIAL

『月の家』は奥に進むと

ベッドのような台があります

個人的に面白いと思ったのは、石に番号が振られている所。

ガイドによると壁面が崩れ、地面に散らばった石材を観察しながら

『多分こんな風に建物として組みあがっていただろう』と推測し、

石材に番号を振って復元作業を行うんだそう。

復元作業が続いていることを実感する場面でした。

~新エリア② チチェンイッツァ遺跡の博物館~

2024年3月にオープンしたばかりの博物館。

朝10時に行ってみたら、入口から遠いからか観光客がほぼいない!その分悠々と見学できました。

300を超える石像や調度品などの展示物は、90%が本物の発掘物、かつほぼ半数が初公開のお宝ばかりなんだとか。


発掘作業にも関わったガイドの一押しは、2023年春に発掘されたばかりの石板。

丸い石に球戯場で戦う戦士のレリーフが刻まれています。比較的小さめですが見逃し厳禁です。

地味…に見えるけど意外と重要な展示物は、かつて『ククルカンのピラミッド』の

蛇の頭の像の横にあったという供物用の大きな石で出来た箱。

中から貴石のネックレスやディスクが見つかり、ディスクはメキシコシティの国立人類学博物館にあるそうです。

その他にも、TREN MAYA建設中に見つかった『生贄の台座』や

『ククルカンのピラミッド』の内部にある神殿のレプリカなど、小さいながら見所の多い展示になっています。

正面入口

発掘物が並ぶ展示スペース

戦士が刻まれた石板

ピラミッドにあった供物用の石の箱

生贄の台座

寺院のファザードもそのまま!

通常ツアーでは訪れる事のない2つの新規エリア。

実際に行ってみて、個人で行くにはちょっと難易度が高いな…と感じました。

現在、MTFではこの新規エリア両方+通常のエリアにも行けるツアーを企画中。

近日中に発表予定なので、遺跡好きな方、チチェンイッツァで一味違う体験をしたい方、詳細お待ちくださいね!